山野穴太のいまどきナースこぼれ話

2017年10月11日
第116回 看護師さんの買い物事情

さて、10月である。またまた原稿が遅れている。
 10年前のコンピュータが壊れた。もういくつ寝るとお迎えがくる歳になって、最新式のコンピュータを買って設定するのも煩わしいので、ネットオークションで同型機を購入したのだが、色々と言い訳をされてまだ商品が送られてこず、まだかまだかと首を長くしているところである。編集者さまの心の声、「色々と言い訳を聞かされて、原稿を待たされている者の気持ちがわかったでしょう」。
 まあ、それはさておき、最近また、病気のご老人から(わが輩も同じだが)、5匹の猫を預かった。 1匹は右後ろ足がない。でも頑張って歩いてほしいとの飼い主さんの願いを込めて、名前は“歩(あゆむ)”くん。ちょっとホロッとする。また別の地域猫保護者の方は、脊髄損傷で両下肢不随の猫を、わざわざ動物愛護センターから引き取って、クララと名づけてかわいがっている。アニメのクララは歩けるようになったが、この仔は生涯下半身麻痺である。排泄物を垂れ流し、「おしめをいやがって、素早く這って逃げるんですよ」と、その方は楽しそうに話す。大変だろうに、またまたホロリである。わが家にも、小脳出血後のキョンシー、前足の曲がったクーコ、その他白血病、エイズの猫たちがいるが、だれも同情してくれないので自分でホロリ。

 さて、本題。
 ここで、冒頭のコンピュータの話が生きてくる。いつもながら、用意周到な文章構成である(どこが?)。

 ヒヨコから、「忙しくて買い物にも行けない。みんなどうしているのだろう」とのメール。まず、仕事で使う個人用品は、だいたいナースステーションにカタロクが置いてあるから、それで選んで注文することが多い。配送も、病院や診療所宛に届くから誰かが受け取ってくれて便利なんだそうだ。しかし、何種類かのカタログを比べて値段を吟味するのは、時間的にも気分的にも煩わしいという。

 では、さすがに日々の食料品は近くのスーパーなどで買うだろうと、話を向けてみた。ちなみに、わが輩などは、ほぼ毎日、大量の猫のエサ(ネットが安いとは限らない)とその少量の半額惣菜やパンを仕入れるから、行きつけのスーパーのレジ係さんから体の心配までされている(笑)。ヒヨコ曰く、いやいや、その日々の生活用品の買い物さえ、満足な時間がとれず困っているのだそうだ。人によっては日々の食料品なども、ネットスーパ-やCOOPなどで配送してもらう人もいるという。しかし、ナースは勤務時間が9時~17時とは限らないから、ネットでの買い物は、受け取り時間の確保が結構難しいのだという。子どもやほかに受取人がいれば大丈夫だろうし、受け取りの時間指定もできるのだから、あまり問題はないように思うが、受け取りの時間帯には2時間くらいの幅があるから、その時間は家を空けられないし、家にいても掃除機の音や洗濯でベランダに出ていたりするとチャイムが聞こえないこともあり、結局はテレビや雑誌を見ながらダラダラと配送を待つことが多くて、時間の節約にならないという。確かに、人によっては(わが輩もそうだが)、何か気になることがあると、あまり真剣にほかのことができず、聖徳太子みたいに器用に掛け持ちができないものである。

 それなら、受け取り用の宅配ボックスがネットで売っているから設置すればと提案すると、そんな発想は一軒家の人が思いつくもの、狭いマンションやアパートの玄関前に大きな宅配ボックスなど置こうものなら、通行妨害で管理人さんから文句をくらうという。難しいものだ。

 まあ確かに、ネットの買い物で1円でも安く買う努力をしようとすると、膨大な商品のなかから検索したり、商品や価格の比較検討、送料の計算など、それなりの時間を要するし、配送待ちの煩わしさなどを考えると、割に合わないかもしれない。さらにヒヨコ曰く、「以前と同じものを同じショップに頼む場合も、注意をしないといつの間にか値上げされていて、確認せず再注文をクリックすると損をする」とのこと。なるほどなるほど、まったく最近の若い子は堅実で感心する。若いヒヨコから、老後の年金云々を真剣に相談されることもあり、こちらがあたふたする。

 「まあ、買い物をする暇がないなら金は貯まるだろう」と茶化したら、「貯まるほどの給料もらっていない」ときた(笑)。いずれにしても、元ヒヨコのおばさまたちのような、「夜勤明けに駅前のデパートや専門店で、ついカルチェの時計やティファニーのブレスレットを衝動買いしてしまった」などという話は、今はほとんど聞かない。ヒヨコによると、これらのものはリサイクルショップをはしごして安く手に入れるという。「先生のような鼻の下を長くしたおじさまが、キャバクラの女の子に貢いだものが、わんさか売りに出されてますから」だそうだ。お前らテレビの見すぎだ。わが輩もそれほど給料はもらっとらんし、貢ぐ相手は猫さまだけである(笑)。