山野穴太のいまどきナースこぼれ話

2017年02月02日
第108回 義理チョコの季節

気がつけば、もう2月である。最近、猫の病気が続き、金が飛んでいく。猫AIDSで痩せてきた仔が2匹、カンジダ症の仔が2匹、難治性角膜炎が1匹、尿路結石(ストルバイト:リン酸アンモニウムマグネシウム)で尿閉、急性腎不全を起こした仔が1匹、その他、風邪多数である。
 写真の猫は、第90回(2015年7月)で紹介した仔猫のなれの果て(?)で、生後約1年半で6.2kgものデブ猫に成長し、尿路結石とあいなった。治療食(これが高い〈泣〉)を与えるべく、別部屋に隔離している。本当の母猫も保護しているが、すでに自分の仔と認識せず、知らん顔である。代わりに、モーコという元メス猫が母親代わりに同居している。朝・夕、部屋のドアを開けると、モーコは自分のエサを食べるべく部屋から出て行く。そして大急ぎで食事をして、隔離部屋のドアの前に戻る。けなげである。なお、モーコはシャイだから写真はダメで、ツーショットは撮れていない。

 さて本題。

 例年の通り、バレンタインデーがやってくる。元ヒヨコ曰く。いい加減に義理チョコ配りの悪しき風習はやめてほしい。やる方ももらう方も、義理とわかっていて、「今年もよろしくお願いします。いつまでもお若くて素敵ですよ」などなどの歯の浮くメッセージカードを添えて、医者や検査技師、薬剤師、事務などに配って回るのも疲れた。もらう方も、糖尿病予備軍であろうとも、一応うれしそうな顔をしないといけない。チョコレート代を集めるのも、みな喜んで出すわけではないので(まあ、露骨にいやな顔はしないが)、集めにくい。何よりも頭にくるのは、3月14日のホワイトデーに、お返しをしてくる男どもがほとんどいないことだ。さも、チョコレートをもらって当然だと思っているのかと、頭にくるらしい。

 そう言われれば、わが輩もホワイトデーにマシュマロのたぐいを返した記憶がない。一つには、何かさもしい気持ちでもあるのじゃないかと思われるのがいやだからである。また、いちいちマシュマロを買いに行くのもめんどうである(ネットであらかじめ注文すればいいし、近くのコンビニにもあるのだが)。医者も、年寄りだったり、看護師よりは高給取りなのだから、それくらい奮発すればいいじゃないかとも思うし、思われるのだが、やはり、体というか手というかが動かないのである。

 まったく、患者さんからの贈り物は堅くお断りしているのだから、院内でも、そんな儀礼的で煩わしいだけの風習は、やめたらどうだろかと思う。病院の方針として、バレンタインデーの義理チョコ配り、ならびに、ホワイトデーの義理マシュマロ配りは廃止します、と取り決めてほしいものである。わが輩も昔、どうにかならんものですかねと、病院のお偉いさんに雑談で言ったことがあるが、お偉いさんからは「そんな西洋の風習、とくに推奨もしていないから、禁止のお触れも出す必要もない」と言われた。まぁ、言われてみればその通り。とくに目くじらを立てることもないか。

 もっとも、元ヒヨコが言うには、バレンタインをいちばん気にしているのは師長さんらしい。チョコレート配らないと、あそこの部署は事務的だねとか、院内行事(?)に素っ気ないねなどと噂されるのがいやみたいである。病棟の仲のよさをアピールしたいとか、行事に取り組むことで団結力を強めたいなどの思惑もあるのかもしれない。
 
 まあ、そんなこんなで、今年も悪しきバレンタインの習慣は続くのである。