Vascular Labのお知らせ

2016年09月01日

バックナンバー 『Vascular Lab』メールマガジン《26号》

■■■「Vascular Lab」メールマガジン■■■ 
            ★☆★26号★☆★
            毎月1回1日発行
              ∞監修∞
   松尾 汎(医療法人松尾クリニック・松尾血管超音波研究室)



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■□   達人が教える今月のとっておきテクニック
□■   「僧帽弁狭窄症の重症度評価:貴重な僧帽弁狭窄症を診よう
□■ ∞講師 東北大学病院生理検査センター/伊藤記彦・三木 俊∞
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脈管診療の現況やテクニックなどを紹介するメインコーナーです。
毎回、この道のスペシャリストが仕事中の脳内を大公開! お見逃しなく♪

                 
 僧帽弁狭窄症(mitral stenosis:MS)といえば、リウマチ性MSが多く、次に動脈硬化
性変化や高度弁輪部石灰化に伴うMS、先天性MS(パラシュート僧帽弁、僧帽弁重複弁口)
などがあげられます。リウマチ性MSは、幼少期にリウマチ熱(A群レンサ球菌感染症)
に罹患し、その後遺症として心臓弁膜に変性をきたすといわれており、弁膜変性をきたす
機序については未だ解明されていません。
 筆者が心エコー検査を始めた1993年頃には、1年間に約10例のリウマチ性MSに遭遇し
ましたが、最近では、年に2~3例しか遭遇しない貴重な疾患になっています。
 現在、先進国ではリウマチ熱に対する治療(抗生物質投与)とMS治療が功を奏し、リ
ウマチ性MS例が減少しています。そのような僧帽弁疾患の代表的かつ貴重な僧帽弁狭窄
症に遭遇したときのために、とっておきの心エコーテクニックを紹介します。
①プラニメトリー法で弁口面積をトレースする際、長軸断面の僧帽弁尖先端の開放幅と、
短軸の僧帽弁尖先端開放幅とが一致した断面で、僧帽弁弁口をトレースすること(Web1)。
②ドプラ波形でPHTを計測する際は、AラインではなくBラインで計測すること(Web2)。
③僧帽弁下組織の観察には、やや斜め長軸断面にて内側や外側にプローブを傾けて、乳頭
筋・腱索・僧帽弁の複合体を観察すること(Web3)。
 これらのテクニックは重症度評価や経過観察に重要です。僧帽弁狭窄症は成因、重症度、
病態を評価し治療方針、手術時期を決定するため、正確な診断を行う知識と技術を身につ
け正確かつ多角的に超音波診断する必要があります。


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■□  達人久保田のバスキュラーラボ立ち上げ日記
□■  ∞北播磨総合医療センター 中央検査室/久保田義則∞
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★☆大寒波に冬の厳しさを再認識させられるこの頃☆★
 先日の大寒波は九州地方にまで大混乱をきたし、受難された方々にお見舞い申し上げま
す。
 今日のように血管診療が注目され、CVT資格者が1,000名を超える基盤ができたのは、
血管診療の分野を広めようと、がむしゃらに活動した先駆者たちがいたからです。今から
は、われわれが成熟させるための努力をする番です。CVTに看護師が少ないのを嘆くので
はなく、素晴らしさを伝え、後続者を育てる努力をしているチームがいます。今月は、
「日本フットケア学会」で3回目となるCVT nurse講習会を行いますが、予約は満員御礼
のようです。先駆者たちの熱き思いを継いだ方々の熱意は、必ず大きな成果となって現れ
ることと確信しています。理学療法士CVTも誕生したことも追い風となり、CVTチームが
一丸となって本領を発揮する日は遠くないでしょう。

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■□  Vascularゼミナール
□■ ∞出題者 東北大学病院生理検査センター/三木 俊∞
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【問題1】APG(エアープレチスモグラフ)検査にて正しい説明はどれか?
a  outflow fraction(OF)- 立位での下肢静脈の開存性を示す
b  residual volume fraction(RVF)- 臥位での連続筋運動の下肢静脈血残
  容量を示す
c  Venous Volume(VV)- 立位での下腿筋ポンプ作用による能動的下肢静脈
  還流能力を示す
d  ejection fraction(EF)- 立位での下肢静脈の貯留容量を示す
e  venous filling index(VFI)- 臥位から立位での下肢静脈血貯留速度を示す

【問題2】%FMD(flow mediated dilatation:FMD)について正しいのはどれか?
a 血管の収縮能力を見る検査である
b 内皮非依存性血管拡張反応である
c 動脈硬化が進行すると%FMDは高値となる
d 計測部位の血管径は2.5mm以下が望ましい
e 血管平滑筋機能が低下していると%FMDは低下する

↓↓↓↓↓↓↓↓答えは本文最後のほうにあります!↓↓↓↓↓↓↓↓

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■□  学会めし 2食目
□■ ∞推薦者 関西電力病院 臨床検査部 技師長/
       神戸大学医学部保健学科 臨地教授/佐藤 洋
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学会場の近くや、出張時の主要駅周辺などのおすすめの食事を紹介する新企画です。
推薦者のこだわりのお店を連載していきます♪

最寄り学会場:a 東京ステーションコンファレンス/b 東京国際フォーラム
店名:M&C Cafe 丸の内オアゾ
住所:東京都千代田区丸の内1-6-4 丸の内オアゾ4F
(a 学会場より北西方向へ。徒歩3分/b 学会場より東方向へ。徒歩15分)
ジャンル:洋食、カフェ
推薦者お勧めメニュー:早矢仕ライス(1,000円)
お勧めポイント:東京駅に近い丸の内オアゾにある丸善丸の内本店(1~4階)には、医
学書や文房具を探しによく行くのですが、もうひとつの楽しみが丸善店内4階にあるM&C
Cafe、お目当ては、「元祖早矢仕(ハヤシ)ライス」です。子どもの頃はハヤシライスの
ハヤシって何? という感じでした。所説あるようですが、丸善の創業者にして当時医師
として働いていた早矢仕有的さんが、明治元年から横浜に新設された病院で働きながら、
牛肉の細切れと野菜のゴッタ煮を作ってご飯にかけて食べる料理を考案したとされていま
す。肉食文化がなかった江戸時代から明治になり、急速に西洋文化を吸収しようとした文
明開化の時代に思いをはせながらいただく「元祖早矢仕ライス」、濃厚かつとても優しい
味わいです。窓際の席からは東京駅に出入りする列車が一望でき鉄道ファンにもお勧めの
場所です。買ったばかりの本を読みながら、帰りの新幹線まで、しばし過ごす時間が好き
です(各地にある丸善カフェでもいただくことが可能です)。


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 ▼▼Vascularゼミナールの解答▼▼       
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【問題1】答え e
outflow fraction(OF)- 臥位での下肢静脈の開存性を示す
residual volume fraction(RVF)- 立位での連続筋運動の下肢静脈血残容量を示す
Venous Volume(VV)- 立位での下肢静脈の貯留容量を示す
ejection fraction(EF)- 立位での下腿筋ポンプ作用による能動的下肢静脈還流
能力を示す
 測定の解説は整理して覚える必要があります。また、VVとVFIは朝より夕方のほ
うが上昇傾向にあることやカフサイズが小さすぎると容量が小さく表示されるなど
の注意点も覚えておくとよいです。
【問題2】答え e
%FMDは 内皮依存性血管拡張反応であり、 血管の拡張能力を見る検査である。
%FMDは計測部位の血管径には左右され、2.5mm以下の血管では評価が難しいとされている。
血管内皮機能が低下すると%FMDは低値となる。


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 ここまで読んでいただきありがとうございました。ではまた次号をお楽しみに!

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(発行人 記)

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 マガジン名:Vascular Lab
 発行:毎月1回1日
 発行責任者:渡邊亜希子・柚木尚登
 発行元:メディカ出版
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 e-mail:vascular@medica.co.jp
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