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メディカ社員の本棚

2017年09月25日

『等伯』

『等伯』
安部龍太郎
(文芸春秋)
ISBNコード:978-4-16-790442-5, 978-4-16-790443-2


出会いは中学の美術の教科書。西洋画はたくさん印象に残っているけど、
日本画は幽玄の美を感じさせる等伯の松林図屏風しか覚えていない。
大学時代は、等伯の絵をお寺などに見に行ったり、
日本史のレポートを書くためにいろいろと調べたりもして、気になる絵師の1人だった。
それから忙しさにかまけていつの間にか忘れていたら、
小説『等伯』が直木賞受賞作として世に出てきてしまったので、
少々複雑な思いで手に取った。

等伯は安土桃山時代の絵師。武家の出だったが染物屋に養子に出され、
そこで仏画などを描いていたそうだ。
小説では、あの松林図屏風を仕上げるまでに、
大変な時代特有の困難や大きな悲しみがたくさんあり、
何度も為政者たちに翻弄されるなか、命の危険があっても自分の節を曲げずに、
最後まで信念を貫いた様子が描かれている。
その心の強さに、ただただ圧倒されるばかりだった。
強靭な心をもって事にあたるとはどういうことか。等伯という絵師をとおして、
人の強さをずしっと感じた。心を奮い立たせたい方にお勧めする一冊だ。

たゆまぬ努力と無心になって取り組む姿勢がなければ到達できない美の世界。
そのような作品が現代まで残っている奇跡に感謝したい。
実は松林図屏風の実物をまだ見ていないので、何としても見に行かねば!

メディカ出版 野口




※次回は2017年10月16日(月)更新予定です。