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メディカ社員の本棚

2017年05月29日

『イル・ポスティーノ』

『イル・ポスティーノ』
アントニオ・スカルメタ(著), 鈴木 玲子(翻訳)
(徳間書店)
ISBN:978-4198904852


チリのノーベル文学賞受賞者である
詩人のパブロ・ネルーダと一人の郵便配達人の友情物語。
イタリアで映画化されたので
題名もイタリア語で郵便配達人となっております。
スペイン語の原題では
「燃える忍耐(ネルーダの郵便配達人)」という風なものらしいです。

非識字者が多い漁村に有名な詩人であるパブロ・ネルーダが住むことになり、
郵便配達人としてマリオが雇われます。
非識字者の多い漁村で郵便物はほぼネルーダ宛のものしかしかなく、
マリオはネルーダ専属の郵便配達人になります。
知らず知らずのうちにマリオはネルーダから詩心を学ぶことになるのですが、
好きな女性ベアトリスができた時に
何くれとなくネルーダの助けを借りて結婚にこぎつけます。
このあたりはおとぎ話のようですが、
前書きに著者の言葉としてベアトリスから
「作り話が多くなっても構わないので
マリオの物語を聞かせて欲しいと頼まれた」
とかあるので実話を元にしているでしょうか?

最後の方でチリの軍事クーデターが発生し、
おとぎ話的な雰囲気は一変します。
軍事政権からは嫌われていたネルーダの元に
マリオは各国からの亡命の勧めを書かれた電報を暗記して駆けつけます。
病床にあったネルーダは窓から外を見たいとマリオに頼みますが、
軍隊に囲まれた周辺を見せたくないマリオは断ります。
その時のネルーダの言葉が
「私は君が結婚したときの立会人兼、
逢引の手引き者兼、息子の名付け親なんだぞ。
窓のところに連れていけという権利くらいある。」
うーむ。なんかかっこいいぞ。

現代のおとぎ話風であり、なおかつチリ現代史のシビアさも味わえる好著。


メディカ出版 福谷




※次回は2017年6月5日(月)更新予定です。