2010年2月23日「INFECTION CONTROL」誌 web速報2を更新しました。
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医療従事者の疑問・お悩みQ&A

新型インフルエンザについて、医療現場での疑問・相談に専門家が回答します。質問はこちらまで。
回答者:
山形大学医学部附属病院 検査部 准教授 森兼啓太 先生

  • ワクチン決定の経緯
  • ワクチン配分のばらつき
  • なぜワクチンが不足した?
  • なぜ10mLバイアルで作られた?
  • ほとんどの看護師が休んだ場合の、病院としての対応策
  • 基礎疾患がなくても重症化しやすい患者さんの特徴
  • PPEは何年ぐらいもつのか
  • 物品の高騰・不足について
  • 両親が罹患した場合の、入院患児への面会制限について
  • インフルエンザ脳症について
  • なぜ豚由来だった?
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「INFECTION CONTROL」誌 web速報1

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医療従事者のための 新型インフルエンザへの具体的な対応
―冷静で適切な対応のために何が必要か?―

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「INFECTION CONTROL」誌 web速報2

月刊CDCガイドラインニュース:
アデノウイルス14型による呼吸器感染症

2010.2.23 掲載記事

フロントエッセイ:
新型インフルエンザワクチン接種後の,ギラン・バレー症候群の発症に備える-

2010.1.18 掲載記事

フロントエッセイ:
新型インフルエンザ臨床現場の声-小児外科医の立場から-

2009.12.28 掲載記事

月刊CDCガイドラインニュース:
新型インフルエンザワクチンとチメロサール

2009.11.6 掲載記事

月刊CDCガイドラインニュース:
「新型インフルエンザは空気感染しない」という事例

2009.10.15 掲載記事

月刊CDCガイドラインニュース:
新型インフルエンザと集会・行事の自粛

2009.7.27 掲載記事

月刊CDCガイドラインニュース:
新型インフルエンザと肺炎球菌ワクチン

2009.7.7 掲載記事

月刊CDCガイドラインニュース:
市中でのマスク

2009.6.8 掲載記事

月刊CDCガイドラインニュース:
新型インフルエンザとタミフル・リレンザ

2009.5.12 掲載記事

速報:医療従事者の新型インフルエンザ発生事例を経験して
-当院における対応についての急告-

2009.7.7 掲載記事

フロントエッセイ:
本気で取り組む佐賀県の新型インフルエンザ対策

2009.6.26掲載記事

新型インフルエンザ対策におけるサージカルマスク不足への代替案
-地域発! 「咳エチケット」実施の現実的なアイデア-

2009.5.27 掲載記事

「INFECTION CONTROL」誌 web速報3

適切な「院内の清掃」の方法について

2009.6.11 掲載記事

適切な「手指衛生」「マスク着脱」の方法について

2009.5.20 掲載記事

*院内において確実に徹底されていますか? 院内資料としてもお使いください。
 (『感染対策らくらく完全図解マニュアル』より)

医療従事者の疑問・お悩みQ&A

新型インフルエンザについて、医療現場での疑問・相談に専門家が回答します。質問はこちらまで。
回答者: 山形大学医学部附属病院 検査部 准教授 森兼啓太 先生

個人防護具の交換頻度は?

マスクなどのPPE(個人防護具)ですが、物品が極端に不足した状況で患者1人ごとにどこまで交換するべきでしょうか?
最低限、目に見える汚染があったときには交換しましょう。また、物品が不足していても、石けんと流水による手指衛生までできない、ということはないでしょう。これを普段以上に頻繁に行うことも一つの手段です。ただし、これらはあくまでも緊急避難的対応です。

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”十分な距離”とは?

『医療機関での新型インフルエンザ感染対策:第三段階(まん延期)以降』などの文書で“他の患者と十分な距離を置く”とありますが、具体的には何mぐらいでしょうか?
飛沫感染を防ぐための距離、つまり1~2mというのが基本的な考え方になります。パーティションなどで区切られている場合は、もう少し近くても大丈夫でしょう。

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ウイルス変異の可能性は?

ウイルスの強毒性への変異について、判明していることはありますか?
現在は変異の兆しはみられませんが、今後どういう変化があるかは誰にも分かりません。強毒性への変異の恐れがあるのは、新型インフルエンザだけでなく季節性インフルエンザも同じことですが、この三十数年間、そういった変化はみられませんでした。ですから、まったく心配がないとは言い切れませんが、あまり心配する必要もないと考えます。

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妊産婦の対応について

妊産婦の対応について心配しています。具体的にはどうすればよいでしょうか?
妊婦は今回の新型インフルエンザの重症化に関するハイリスク集団と考えられています。医療施設における妊産婦への感染はできるだけ避けたいところです。妊産婦のいる部署で働くスタッフは特に自分自身の健康状態には気を配り、発熱や咳などインフルエンザを思わせる症状があるときはすぐに上司に相談し、指示を仰ぎましょう。見舞客はこの時期、必要最小限に制限し、場合によっては見舞客の発熱スクリーニングを行った方がよいかもしれません。

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母児同室制の対応について

当院は母児同室制ですが、面会の制限など、インフルエンザ流行時の対策はどうしたらよいでしょうか?
流行期は面会者は最小限にするのが賢明でしょう。母親が出産後、発熱が続きインフルエンザが疑われる場合を除いて、母児同室を妨げる要因はありません。

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病院入口へのアルコール製剤設置の効果は?

当院では最近、インフルエンザ対策として、病院の入口に擦式消毒用アルコール製剤が設置してあります。外来の患者さんや入院患者の面会者用とのことですが、効果はありますか?
擦式消毒用アルコールによる手指衛生は、一般の人々には若干難しいところがあります。また、設置位置にもよりますが、子供の目に入るなどのリスクもあります。効果はないことはありませんが、むしろ石けんと流水による手洗いを勧める方がよいかと思います。

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確定検査の実際について

当院は個人病院ですが、新型インフルエンザの確定検査をどこでされるのかわかりません。A型の判定があった検体はすべて新型の確定検査に検体を送っているのでしょうか? 検体に試薬がついていても大丈夫ですか? また、新型確定するまでどのくらいの期間、費用がかかりますか? 確定するまでA型の人は全て隔離が必要でしょうか?
確定検査は現在のところ、PCR法によって、地方衛生研究所または国立感染症研究所のみで行うことができます。検査依頼は保健所などを通じて行うことになり、すべて行政検査、つまり行政施策上必要と認められた場合にのみ行われます。費用は同時に処理する検体数にもよりますが、数万円です。すべて行政が負担します。8月30日現在、新型インフルエンザの確定診断を行う患者は、基本的にインフルエンザ症状で入院した患者に限定されています。

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紫外線・湿度での対策の是非

新型インフルエンザに紫外線効果はありますか? また、湿度を上げることで、予防的効果はあるでしょうか?
紫外線は、その照射野にあるウイルスだけでなくさまざまな微生物を殺滅する効果があります。したがって、環境表面に存在するウイルスを死滅させる効果はあるでしょう。しかし、これは環境表面の消毒薬による清拭で十分に代用可能であり、また紫外線はちょっとでも陰になった所には届きませんので、消毒薬による清拭がベターです。湿度に関しては、動物実験で高湿度の場合にインフルエンザ感染確率を低減できたというデータがありますが、ヒトでは詳しいことはわかっていません。
(文献:Lowen, AC. et al. Influenza virus transmission is dependent on relative humidity and temperature. PLoS Pathogens. 2007, 3, 1470-6)

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透析室での対応について

人工透析室に所属していますが、新型インフルエンザの死亡者は透析患者が多く、感染が拡大していることからも、スタッフ、患者ともに不安が広がっています。ワンフロアでベッド間隔は3m以内で、ベッド数に限りがあるので、ベッド間を空けることも難しい状態です。カーテンを閉め切ると急なショックなどの可能性もありますし…。患者さんへは、人ごみに出る時はマスク着用、手洗いうがいを勧めており、透析前には手指消毒剤を使用していただいています。家で発熱したらまず電話で連絡してもらえるようにお願いしていますが、このような対策のみで大丈夫でしょうか?
大体そのような対策でよいかと思いますが、追加するとすれば、透析患者全員に、来院時の体温チェックを含めた健康チェックを行うのも一つの手です。もっともありそうなケースは、透析にきた患者が発熱していて、それを患者も医療従事者も気付かずに透析してしまい、周囲に感染を拡大させるような場合です。これは、上のような対策で防ぐことができます。

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一般企業での対応について

これからの流行に向けて、一般企業で行える準備としては何がありますか?
社員の健康管理を組織として行うことでしょうか。十分に睡眠を取り、常に健康状態に気を配るよう社員にうながし、出勤時に発熱や咳などインフルエンザ様症状がある場合は会社に連絡して指示を仰ぎ、特に発熱時は決して出勤してこない、などの対策を徹底することです。もちろん、手指衛生の励行も有効でしょう。

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患者さんのマスク着用の是非

サージカルマスクはインフルエンザ罹患者が他の人にうつさないようにするためのものと考えると、健常者へのマスク装着はどこまで勧めればよいでしょうか?
流行状況や周囲の患者さんのインフルエンザ罹患時の重症化リスクなど、状況次第ではありますが、一般に健常者へのマスク装着はそれほど効果がないと考えられます。

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市販のマスクの効果

サージカルマスクが不足した場合に、市販のマスクや紙マスクや手作りマスクで代用しても、マスクをしないよりは少しは感染予防になるのでしょうか?
多少の感染予防効果はあります。

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ワクチンの接種回数

新型インフルエンザのワクチン接種は1回のみで十分量の抗体価が期待できるのでしょうか?
ワクチンの性状にもよりますが、季節性インフルエンザワクチンと同様の方法で生産される国産のワクチンは、2回接種しないと十分量の抗体価が得られないと思います。

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季節性ワクチンとの同時接種

今回の新型インフルエンザワクチンと、季節性インフルエンザのワクチンとの同時接種は可能でしょうか?
可能です。そもそも季節性インフルエンザワクチンの接種において、A(H1N1)、A(H3N2)、Bの3種類の型に対するワクチンを同時接種しています。

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患者の同室隔離

インフルエンザ患者が数人来院した場合、インフルエンザ患者を同室に隔離してもよいでしょうか?
構いません。

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通常の面会制限

ハイリスク者だけでなくても、見舞客の制限は行った方がよいでしょうか? 行う場合はどれぐらいでしょうか?
病院の考え方次第です。もし行うとすれば、流行が収まるまでずっと(もしかしたらこの冬から春にかけてずっと)やるべきでしょう。

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罹患した医療従事者

医療従事者にインフルエンザ罹患者が発生した場合、就労制限はどのようにすればよいでしょうか?
罹患した医療従事者は就労させるべきではありません。解熱後少なくとも24時間後まで休業させる必要があります。休業期間については議論のあるところです。安全を見越して解熱後2日という考え方もあります。

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家族に罹患者がいる医療従事者

家族にインフルエンザ罹患者がいる医療従事者の勤務体制はどうすればよいでしょうか?(勤務可能でしょうか? タミフルを予防投与するべきでしょうか?)
勤務可能です。予防投与は無意味とは言えませんが、そのメリットとタミフルの今後の不足を考えると、行なわない方がよいと考えます。そのかわり、サージカルマスクを着用して勤務を続けること、また、その人の健康状態は本人だけでなく周囲もチェックし、発熱などの症状がみられた時はすぐに勤務から外し、インフルエンザと考えられる場合にはすぐにタミフルを投与できる体制を整える必要があります。

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家族に罹患者がいる入院患者

家族にインフルエンザ罹患者がいる方が入院になった際、病院としての対応はどうすればよいでしょうか。個室対応でしょうか?
家族に罹患者がいる医療従事者と同様に考え、サージカルマスクを着用して大部屋での入院でよろしいと思います。そして、その患者さんの健康状態を最終曝露後1~3日は厳密に行う必要があります。

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季節性との就業規制の違い

当院では季節性インフルエンザを発症した場合,5日間の就業規制をとっていますが,新型インフルエンザを発生した場合は7日間の就業規制が必要でしょうか? また,就業規制を行う場合は,発熱からの日数カウントでよいのでしょうか?
前述の通り、就業規制期間には様々な意見の相違があります。発症翌日にもう解熱しているような場合に、7日間の就業規制が必要とは思えません。原則は発熱期間中に就業させない、発熱がなくなった後はケースバイケースで判断されるとよいでしょう。

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職員に受診を勧めるタイミング

高熱が出て受診しても「インフルエンザ検査陰性で風邪といわれた、大丈夫でした」と帰ってくる職員が多くいます。当院では自己防衛策として、検査結果によらずそのつど休職を決めて対応しています。ただ、できれば正確な検査結果があるとベストなので、熱が出て翌日に受診を勧めるほうがよいのか(発熱2日後の陽性率が高いとされていることから)、それとも、医師によっては検査が陰性でもタミフルを処方してくれるので、一刻も早くタミフルを飲めるように早々の受診を勧めるべきなのか…。
受診する医師の診療姿勢にもよる、非常に難しい問題です。インフルエンザでなくても発熱している職員が就業しているのはあまり好ましいことではありませんね。また、インフルエンザであってもタミフルを内服しなければ治らないわけでもありません。発熱期間は休業させる、あとはケースバイケース、という対応になろうかと思います。

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感染可能期間について

新型インフルエンザの感染可能期間について、「発症1日前から」とされている文献が多いようです。そこで、職員の同居家族が感染した場合は、本人に症状がなくても、発症1日前を見込んで「感染した家族の感染可能期間7日+職員本人の潜伏期間7日=14日間」のあいだマスク着用で勤務してもらっています。しかし、発症前1日前(発熱する前)の体内のウイルス量や、咳などの症状がないときに周りにウイルスを撒き散らす量は果たしてどのくらいなんでしょうか? それによっては「有症状時マスク」を対策としてもよい様に思うのですが…。マスクは現在品薄ですし、着用による不快感もあるので、考え方をご教示いただきたいと思います。
発症前日の体内ウイルス量についてはあまり明確ではありません。また、咳などの症状がないときに周囲に散布するウイルス量は、有症状の時に比べて少なくなります。しかし、人を感染させる能力があると考えられるので、就業させる以上はサージカルマスクを着用させるのが妥当と考えます。なお、新型インフルエンザA(H1N1)の潜伏期については1~4日、平均1.5日とされていますので、家族の解熱後4日間発症しなかったらその職員のサージカルマスク着用による就業は解除してよいと考えます。

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母乳での感染はあるか?

母乳にはウイルスは含まれないと思うのですが、正しいでしょうか? 感染を怖がって授乳をしない母親が増えてきており、対応に苦労しています。
母乳にウイルスは含まれませんが、母体のウイルス量があまりに多い(=母体の重症感染症)場合にも含まれないかどうかはわかっていません。それよりも、母親から乳児への飛沫感染のリスクの方がはるかに高いです。母親がインフルエンザに感染している間は授乳を避けた方が無難でしょうが、授乳しないことのデメリットもありますので、総合的に判断する必要があります。

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妊婦の致死率について

ハイリスク群である妊婦の致死率がなぜ高いのでしょうか? メカニズム的な情報がほしいのですが…。
妊婦は半同種移植片である胎児を体内で発育させる必要性から、免疫機構を抑制しながら妊娠を継続していると考えられています。また、液性免疫が優位になり細胞性免疫が低下しており、これはウイルス感染症には不利な状態であるという考え方もあります。さらに、妊娠後期には循環器・呼吸器系に負荷がかかっていることも関係あるでしょう。

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タミフル以外の治療法について

新生児、乳幼児、妊婦についてもタミフル投与を行うとのことですが、タミフル服用後の異常行動が問題となっている10代の治療には、タミフル投与以外で、治療法として確立されているものはあるのでしょうか?
同じノイラミニダーゼ阻害剤であるリレンザが使用可能です。

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タミフルとリレンザについて

当院では、タミフルとリレンザの2つの薬剤を使用しています。今回、急性呼吸器不全で死亡者が増えているということは、血液移行性のあるタミフルを第一選択薬として考えるべきなのでしょうか?
タミフルとリレンザに治療成績における差があるというデータはありません。現時点ではいずれの薬剤を使用しても構わないと考えます。

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検査の正確性は?

季節性インフルエンザの場合、発症してから24時間以内は十分量のウイルス量がないため陰性に出る場合がありますが、新型インフルエンザの場合は陽性を示す十分量のウイルス量になるまでの時間はどのくらいでしょうか?
症例によっても異なりますが、一般に24時間を超えれば十分量のウイルス量になると考えられています。

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急性呼吸不全について

なぜ、季節性インフルエンザでは急性呼吸不全を起こさないのに新型インフルエンザでは起こしてしまうのでしょうか?(新型インフルエンザは弱毒型で肺では増殖しないと思われてきたが、重症者の一部に強毒型の症状がみられているようなので)
季節性インフルエンザで急性呼吸不全を「起こさない」とは言い切れません。毎年1,000万人前後が感染している疾患であり、そのような事例が見逃されている可能性も十分あります。
一方、今回の新型インフルエンザウイルスである2009年A(H1N1)は、上気道よりも下気道や肺で増殖性が高いという動物実験のデータもありますので、上気道症状がみられない間に下気道や肺でウイルスが増殖し、急性に呼吸不全として発症する機序に一定の合理性はあります。

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患者用問診票の項目について

クリニックを経営している者です。新型インフルエンザ疑いの患者用問診表には、どのような項目を入れたほうが良いのでしょうか?
発熱、咳、くしゃみ、関節痛、頭痛などが問診段階で適切な項目と考えます。これらは重症化の指標ではないことに注意が必要です。

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新型インフルエンザの今後は?

このウイルスは、第二波、第三波と形を変えながら流行を繰り返すのでしょうか?
この次の流行を何と呼ぶかは議論のあるところだと思いますが、おそらくこのまま季節性インフルエンザとしてヒトの世界に定着し、少しずつ変異しながら、これまでのA香港型・Aソ連型の冬の流行と同様に冬を中心に流行していくものと思われます。

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ワクチン接種、1回と2回の違い

新型インフルエンザワクチンは、結局のところ、1回接種と2回接種で、具体的に何が変わるのでしょうか? 医療従事者として、ある程度専門的なところまで(政治的でなく科学的な情報を)理解しておきたいのですが…。
インフルエンザに対する免疫がまったくない状態から、免疫がある状態まで持って行くのに、不活性化ワクチンだと2回接種することが必要と考えられています。つまり1回接種では免疫獲得が不十分となる可能性があります。しかし、今回の新型インフルエンザに関しては、おそらく多くの人が何らかの免疫をすでに持っていると思われるので、1回接種で十分ではないか、という意見が多勢を占めつつあります。

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ワクチンの副作用について

新型インフルエンザワクチンを接種することで副作用はないのでしょうか? 季節性インフルエンザワクチンとのリスクの違いや、「輸入ワクチン」「国産ワクチン」の副作用の違いについてもいま分かっている範囲で知りたいです。

副作用(ワクチンの場合は副反応と呼びます)に関する情報は厚労省のウェブサイトに詳細なデータが掲載されています1)。また、国の専門家による副反応事例の検討が行われています。現在のところ、季節性インフルエンザワクチンとのリスクの相違はないとされていますが、本稿執筆時点(12月上旬)で主に高齢者の接種後早期死亡が目立つ状況であり、引き続き情報収集を続けることをお勧めします。また、輸入ワクチンと国産ワクチンの副反応(リスク)の違いについては何も分かっていません。輸入ワクチンを日本である程度の数接種して初めて、リスクの違いが分かるものと考えられます。

厚生労働省ホームページ.新型インフルエンザ対策関連情報:ワクチン関連情報

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ワクチン抗体を持っている人は接種しなくてよい?

当院の医師が、「ワクチンは抗体を持っている人は接種しなくていいので、抗体を調べてから接種したほうがよい」と言っていたのですが、実際はどうなのでしょうか?

理想的にはそうですが、抗体を調べるには費用と手間と時間がかかります。抗体を持っているかどうかを調べることは非現実的です。

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ワクチン決定の経緯

新型インフルエンザワクチン接種に関して、対象者など、実際はどのように決まったのでしょうか?

初期の供給量が限られるなか、このワクチンの接種によって最も利益を受けるであろう人口集団を同定し、優先順位が付けられました。優先順位を決定する際には、医療体制の維持や流行の抑制に対する効果なども検討されました。

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ワクチン配分のばらつき

新型インフルエンザワクチンの配分が、施設によってかなりばらつきがあるようです。当院では必要な職員の半分にも満たない数しか配分されていないのですが、一方、余っているという病院もあると聞きます。必要な人数に応じて、必要な数を分配するものなのでは…と思うのですが、なぜこのような状況になるのでしょうか?

医療従事者に対して初期に配布されたワクチンのことをおっしゃっているものと思います。非常に鋭いご質問です。配布にあたっては、各施設でワクチン接種が必要と考える職員の数を申請したわけですが、これが適切であったかどうかを審査する機関がありませんでした。新型インフルエンザの診療に従事する医師・看護師の数を申請する原則になっていましたが、それ以外の医師・看護師の分も加えて申請した施設も少なからずあったことでしょう。このような状況のなかで、ワクチンが足りない施設もあれば、余っている施設もあるわけです。さらに、都道府県単位で人口に比例した本数が国から配布されているので、人口の割に医療施設(医療従事者)が多い都道府県は相対的にワクチンが不足するということになります。ワクチンの公平な分配は現実問題としてなかなか難しいです。

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なぜワクチンが不足した?

新型インフルエンザワクチンはなぜこんなに不足したのでしょうか? 季節性ワクチンとは別のラインで作る必要があったというのは以前からわかっていたはずなのに、なぜ早いうちに新しいラインを作って対応できなかったのでしょうか?

新しいラインを作るためには巨額の設備投資が必要です。またそれは、新型インフルエンザが来なければまったくの無駄になります。日本のワクチンメーカーは海外のそれに比べてさほど大きくないこともあり、設備投資が困難です。

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なぜ10mLバイアルで作られた?

新型インフルエンザワクチンが10mLのバイアルで作られたのはなぜなのでしょうか? 感染対策に携わる者としては理解し難いのですが…。

1mLバイアルで作ると、1バイアル(2人分)におよそ1.2mL入れる必要があります。一方、10mLバイアルで作ると、1バイアル(18人分)に10mLちょっと入れればOKです。前者は1人分あたり0.6mL、後者は1人分あたり0.55mLです。さらにうまくすれば10mLバイアルから20人分取れますので、その場合1人分あたり0.5mLです。つまり、同じ人数分として出荷する場合、10mLバイアルで出荷した方が原液をより少なくすることができます。厚労省の立場としては、限られた量のワクチンをできるだけ多くの人に配布することを重視し、一方で20回刺すにしても清潔操作が守られれば汚染することはない、ということのようです。

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ほとんどの看護師が休んだ場合の、病院としての対応策

保健所の施設監査での質問にどう答えてよいのかわからないものがあり悩んでいます。医療安全面の監査で「新型インフルエンザでほとんどの看護師が休んだ場合の、病院としての対応策はどうしていますか?」という指摘をされたのです。当院は、7:1制、病室担当制をとっているので、他の病棟から手伝ってもらえるのも限界があるし困っています…。他の施設ではどのように答えている(どのような対応策をとっている)ものなのでしょうか?

そんな無意味な質問をする監査官のお名前を教えて下さい(笑)。まず、今回の新型インフルエンザA(H1N1)は、すでにご存知の通り成人の罹患率は非常に低く、ほとんどの看護師が同時にかかるなどありえません。また、将来の備えとしてそのような事態を想定したとしても、対策の立てようがありませんよね。対応策はどうしていますか? という問いには、その時は病棟を閉鎖します、としか答えようがないと思います。施設基準を満たさない病棟運営はできませんし、余剰人員を抱えておけるだけの経済的余裕はどの病院にもないことを、保健所が一番よく知っているはずです。

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基礎疾患がなくても重症化しやすい患者さんの特徴

よく挙げられている基礎疾患がなくても、重症化しやすい患者さんの特徴などはあるのでしょうか? これまで分かっている範囲や印象でもよいので、少しでも知りたいです。

残念ながら、今のところ明らかではありません。

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PPEは何年ぐらいもつのか

当院では、鳥インフルエンザを想定したPPEが大量に保管されています。今後来るであろう鳥インフルエンザに備えて、保管し続けろと指示されていますが、これらのPPEは大体何年ぐらいで使えないぐらい劣化するものなのでしょうか? それぞれの製品によって違うとは思いますが…。

製品によって異なります。最も早く使えなくなるものは、劣化あるいは変性しやすいゴム製品ではないでしょうか。比較するのも妙ですが、オセルタミビルですら7年は保存可能ですので、PPEは軽く10年は可能かと思います。

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物品の高騰・不足について

かなり長い期間、物品の高騰・不足状態が改善されなかったのはなぜなのでしょうか? 今後のためにも、本当に必要としているところに必要分がきちんと納入されるようになってほしいのですが…。

高騰は需要と供給の関係、不足はワクチン不足とも関連しますが普段からの設備投資の不足と思われます。資本主義の世の中ですから、国などが物価統制するわけにもいきません。難しい問題です。

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両親が罹患した場合の、入院患児への面会制限について

入院患児の両親が新型インフルエンザに罹患するケースが増えています(患児は新型インフルエンザには罹患していません)。これまでは、両親発症後、解熱してからも7日間の面会制限を行っていました。しかし、子供の分離不安など考えると面会制限をできるだけ短くしたいため、両親が罹患し解熱後48時間以上経過したら、面会制限を解除(ただし、手洗いの励行やマスク着用を義務付ける)し、面会可能に変更しようかと考えています。
この場合、患児がハイリスクの状況(ステロイド投与、化学療法、人工呼吸器使用、喘息など)でも同様の処理をとってよいのでしょうか?

感染防止の観点からは、解熱後48時間経過で面会可とするのが妥当だと思います。しかし、子供の分離不安を考えると、できるだけ早期にこの制限を解除してあげるのが望ましく、例えば解熱後すぐに両親は「サージカルマスク着用・手指衛生遵守」の条件下で面会可とするのも一計でしょう。
子供がハイリスクの状況であっても基本的には同一でよろしいと思いますが、子供が感染した場合の重症化のリスクの程度や、両親の不安の程度などを見計らって、ケースバイケースで対応するのがよろしいかと思います。

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インフルエンザ脳症について

インフルエンザ脳症についてですが、解熱剤とは因果関係があるでしょうか? また、脳症を悪化させないコツはあるでしょうか? インフルエンザ脳症が日本特有である理由についても知りたいです。

解熱剤とは因果関連がありません。脳症のリスク因子も明らかでなく、脳症症例の予後に関するリスク因子や防御因子も不明です。日本特有かどうかは、サーベイランスの体制に各国の差違があるため、これも不明です。もちろん、人種による差がある可能性はあります。

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なぜ豚由来だった?

ここ数年、鳥インフルエンザが来る来ると言われていたのに、ふたを開けてみたら豚由来のインフルエンザ…。世界のほとんどの専門家が予想できなかったようですが、それはなぜなのでしょうか? また、今後に想定できる新型はどのようなタイプがあるのでしょうか?

豚のウイルスのサーベイランスがしっかり行われていなかったことと、H5N1が400名以上の感染者を出していたことから鳥にばかり注目が行ってしまったこととが、専門家が予想できなかった原因と思われます。次の新型インフルエンザの由来として、依然として鳥を本命視する見方も強いです。豚か鳥かその他の生物か、神のみぞ知るといったところでしょう。

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