山野穴太のいまどきナースこぼれ話

2016年12月08日
第106回 ナースにとってジェネレーションギャップとは

寒くなった。61匹の家猫(一部は家ノラ)も、風邪をひいたり、体調管理が大変である(おっちゃん、いつの間に60匹を超えたんや)。60匹目の仔猫は右目の突出で眼がつぶれかけ、61匹目の仔猫は風邪をこじらせてインターフェロンの注射などなど、わが輩の家計がつぶれかけで泣いている。風邪ひきさんが長期になると獣医さんに連れて行くのであるが、これも大変である。まだわが輩は一応働いているので、獣医さん通いはもっぱらボランティアさんにお願いしており、ボランティアさんには頭が上がらない。
 元気な仔たちは、電気カーペットに集まったり、段ボールマンションで身を寄せ合っている。なかでも、一番傑作なのは写真の仔である。自分で毛布にもぐり込み、中で一回転して、首だけ出して寝ている。あたかも人間が寝るような格好である。まあ、いろいろと彼らも知恵を絞って、この冬を乗り切る算段をしている。

 さて、本題。
 
 わが軍(?)の、口の悪い中堅ナース曰く、お偉方はやたらと4大卒をありがたがって、「さすが、我々の受けた教育とは違うわね。進んでいるわ。ジェネレーションギャップを感じるわ」などと、覚えたての横文字(失礼!)をやたらと並べて、感心することが多々あるそうだ。しかし、ある程度コンピュータを使いこなす年代の中堅さんは、わりと冷めている。ナースにとって、病院ではジェネレーションギャップというほどの違いはあまり感じないという。
 
 ギャップを感じるほど新鮮なヒヨコが入職するわけでもなく、ほぼ同じような教育を受け、同じような生活レベルの人たちが集まっている職場である。すなわち、大半のナースは、専門学校や4年生大学を出て、ある程度の大きな病院に数年勤め、可能ならそこで感染症や糖尿病、フットケアなどの専門看護資格を取得する。その後、結婚して子どもが数人。家庭と仕事を両立すべく、夜勤の少ない、あるいはない病院やクリニックに転勤・転職する。さらに、家計にゆとりがあれば、子育てに専念してしばらく、または永久に職を離れる。一部は上昇志向をもっていて、大病院で出世するべく頑張る。このようなパターンが多数を占める集団である。

 そこに、看護以外の特殊才能を有する人材が入職することは少ない。「コンピュータに強いです」という触れ込みであっても、ワードやエクセルを使いこなし、パワーポイントで症例検討や症例報告を上手にまとめることができる、また、ネットからある程度看護実務や研究に必要な事項を集めてこれる、という程度である。プログラミングを駆使して、職場に有益なソフトを開発できますなどという技能を持ち合わせている人材はいないであろう(そもそも、そんなものはプロの業者さんにお願いすればいい)。それでいて、今のひよこ世代は、授業でプログラミングのプぐらいはやっているので、「それ、学校で習いました」とお偉方を煙にまく(笑)。

 えてして、看護の上の方々は、4大卒は看護の専門分野以外に、何か看護学に役立つ特殊才能を身につけていて、今後の業務に多いに役立ってくれるのではと期待する。しかし、中堅からしてみると、せいぜい英語文献が読める(まあ、それも特殊才能かもしれないが)程度の語学力と、やたらとカタカナの看護学用語(まあ、和訳できない特殊ニュアンスもあるにはあるが)を並べて議論することができる程度であると、さめている。

 おいおい、おまえさんの言うことも一理はあるが、かなりのひがみ心情を感じると、うちの仔は言っているぞ(笑)。ひよこと中堅の技能レベルに実際にギャップ(差)があるというよりは、ひよこに対する“むやみやたらな期待感”に、中堅と管理職クラスで大きなジェネレーションギャップがあるというところか(笑)。

 しかし、おっちゃん、「ナースにとってジェネレーションギャップとは」などと風呂敷を広げたわりには、雑談に毛が生えた程度でお茶をにごすんかいな。……ごめん。