山野穴太のいまどきナースこぼれ話

2017年08月10日
第114回 病院のサービス (ウォーターサーバーの設置)

わが住む町では連日の熱帯夜であり、猫たちのために、室温26度に設定したエアコンを四六時中入れっぱなしである。というのも、猫も60匹以上もいると、だれかが病気になる。そのため、適温の部屋に隔離をするのだ。もっとも、世話をするわが輩やボランティアさんのためにも、エアコンが欠かせないのはいうまでもない。
 猫の風邪はしょっちゅうであり、そのたびに、ボランティアさんが獣医さんへ連れて行ってくれる。「お大事に。できたら適切な室温の部屋で休ませてくださいね」と言われる。申し訳ないが個室はないので、相部屋でくしゃみの合唱である。
 そのほかに現在、AIDS猫が3匹、白血病猫が1匹いる。AIDS猫は去勢、避妊しているためか、あまり派手な喧嘩はせず、ウイルスをばらまくこともない。ほかの猫も検査をしていないだけで(約1万円かかる)、AIDS陰性とは限らないので、ほかの猫と同居部屋でのんびりさせている。一方、白血病猫は大変である。すぐ食欲がなくなり、そのたびに(数日おきに)食欲増進剤、ビタミン剤などを注射してもらわなければならない(インターフェロンはまだ見合わせている)。かなりの金喰い猫だが、ほうっておくこともできず、つい心配になり、獣医さんに駆け込む日々である。親ばかというか、猫ばかである。

 さて、今回は病院やクリニックのサービスというか、備えつけのウォーターサーバーについて書く。と構えて書くほどでもない、夏バテや猫の介護づかれでネタがないだけである。頼みのヒヨコや元ヒヨコどもも勤務や休暇で忙しく、ネタを提供してくれる者がいない。ウォーターサーバーで一文章が書けるかというと、無理があるが、「そこは文才で♪」と編集者さんにおだてられて、渋々木に登る豚状態である。

 だいたいがウォーターサーバーなどというしゃれた名前さえ知らなかった。そういわれれば、病棟や外来に、こじゃれた、スマートな縦長の機械がある。これがそうかといった具合である。昔は水飲み場というか、簡易噴水みたいな水飲機が駅のホームをはじめ、病院の片隅にあって、冷水が提供されていた。紙コップもないから、口を近くにもって行って飲むのであるが、そこでうがいをする者もいて、衛生上問題があるとのことで、もはや最近では、めったに見なくなった。

 代わりにウォーターサーバーが普及しているようだが、これがまた、病院ではいろいろと大変である。サーバーの種類(卓上型か据え置き型か)、水の種類(天然水かRO水か)、ボトルの容量、それに一番大事なボトルの料金などを選ばなければならず、事務方は大変である。そして、その委員会などに顔を出さなければならない医師やナースも、サーバーに関する事故があると責任を問われるので大変である。我々なぞ、水が出てくりゃいいや、まあせめてつめたければいいやと思っていたが、そうでもない。水も天然水などは、12Lあたり1,000~2,000円するとなると、かなりの出費である。

 病院ならではの患者さんサービスとして、服薬用の水の提供は必須である(?)。内服薬の注意事項には、「お薬は水かぬるま湯(コップ1杯)で飲んでください」と書かれているものがほとんどであるから(その理由は割愛)、院内に自動販売機が設置されているとしても、飲料水を提供するのは当然のサービスであるというスタッフもいる。我々のクリニックでは、水と湯の出るサーバーを外来に設置しているが、患者さんが熱湯でやけどでもされては大変であるから、湯の蛇口をひねっても水しか出ないようにしている。なるほどと思う心配りである。

 もっと問題なのは、職員用のウォーターサーバーである。最近は水に加えて、お茶とかコーヒーなどが出る高級品もある。病院がケチだと、その高級品を採用するにしても、設置場所をだいたい医局の近くにする(1台の場合)。そこでまた、ナースから文句が出る。差をつけるんじゃないよ、だいたい誰が一番働いて頑張っているのよと、事務長あたりにねじ込む・笑。まったく、こわいこわい。わがクリニックにも、その高級品は医局に設置してあるが、医者はちゃっかり、月に千円取られているぞ。スタッフの皆さんは無料で使用可である。どうかナースさま、それでご勘弁を・笑!